私たちのストーリー
すべてのはじまり
2011年、東日本大震災を機に菊池伸也は西和賀町へ帰郷しました。
そこで見たのは過疎化が進んだ郷里の風景でした。このふるさとをどうにかできないものかと考えた末、数少ない選択肢として農業で身を立てることを決意します。何を栽培していくのかを考え、多方に聞いてまわるなかで、かつてこの地域はいちごの一大産地だったことを耳にします。
その時、小さい頃に見た祖父母がいちごを収穫する姿が頭の中に蘇ってきました。
創業と違和感
準備期間を経た2015年、地域を代表する目玉商品を生み出したいという思いを胸に、四季なりいちごの栽培を主軸とする「めだま企画」を創業。西和賀の冷涼な気候を生かし、一般的にいちごの生産量が落ち込む6月から11月にかけて収穫することができる四季なりいちごは、気候風土にもマッチしており価格的にも安定していたため、規模拡大を視野に経営を進めていきました。
その一方で栽培と出荷を繰り返す日々の中、次第に違和感を感じ始めます。それは、愛情を込めて育てたいちごを出荷系統の規格に当てはめると、実に3割にも及ぶ量のいちごが規格を外れ流通されることなく廃棄されてしまうという農業の現実でした。
完熟いちごの流通と加工
すべてのいちごを無駄なくお客様へ届けたいという思いから、2018年に青果の出荷と並行して農産物加工へ着手、ブランド名「Pinkies!」を名乗るようになります。
自主ブランドを掲げ多くの実需者の方々と接していく中で、世の中には完熟のいちごが流通していないことに気付き、 完熟の美味しいいちごを届けたいという思いから流通の在り方を模索、2020年には完熟いちごの自主流通を確立します。
そして、2021年には菓子製造業の営業許可を取得したことで、収穫するすべてのいちごを完熟かつ無駄なく流通させることができるようになりました。
小さくもそこで続ける意義
現在の食糧事情に関しては、もはや誰も予測が出来ないほどに先行き不透明な時代に突入しています。
私たちは小さな経営体ですが、 循環性が高く無駄のない農業経営を行い、その土地から収穫したものを糧として、 農村を保全しながらそこに住み続けるということに大きな意義があると考えています。
Pinkies! 代表 - 菊池伸也
西和賀町認定農業者協議会 理事
国立大学法人岩手大学認定アグリ管理士
日本ソムリエ協会 公認 ワインエキスパート
日本野菜ソムリエ協会 公認 野菜ソムリエ